2023.04.21 INVESTMENT
2023年4月18日、Angel Bridgeの投資先であるブルーモ・インベストメント株式会社(以下ブルーモ)がシードラウンドにて8億円の資金調達を発表しました。
ブルーモは、米国株・ETF投資アプリを2023年夏までにローンチする予定です。現在、日本市場ではロボアドバイザーや短期投資向けのネット証券サービスはたくさんありますが、資産形成を目的とした「スマホでも使い易い長期投資のインターフェイス」は存在しません。そこで、ブルーモはこの領域をカバーするプロダクトをリリースすることにしました。
今回は、ブルーモへAngel Bridgeが投資した理由を解説します。
海外でのモバイル投資アプリの動向
近年、海外ではモバイル投資アプリのユニコーン企業が多数誕生しています。2020年末から2021年にかけてはRobinhoodという初心者向けの投資アプリが爆発的に流行り、多くの若者が株式投資を行うきっかけとなりました。Robinhoodは現在も2,300万の口座を持っています。顧客の預金残高で得られる利息、高頻度トレーダーへの注文情報の販売、証拠金貸与が収益となっていたため、取引手数料が無料であることが特徴的です。
アメリカの個人投資活発化のきっかけは、2020年からの巣ごもり需要です。特に若年層はSNS掲示板での情報交換を通じて気軽に投資を行うようになりました。
他にも、M1 Financeがユーザー数100万人、顧客口座残高61億ドル、Public.comが2021年時点でユーザー数300万人以上と代表的な地位をアメリカで占めています。
日本国内の状況と創業の経緯
では日本国内の個人投資の状況はどうでしょうか。日本はアメリカをはじめとする海外に比べて個人投資が浸透していないのが現状です。しかし、ここ最近外部的な要因で投資への関心が高まっています。
2022年5月、岸田首相は「資産所得倍増プラン」を掲げ、「貯蓄から投資へ」という目標へのコミットを示しました。その実現のため、NISAやiDeCoの拡充・改革などが実施され
、非課税期間が無制限になったり、年間投資額が最大360万円までとなることが決まりました。
TwitterやYoutubeなどのSNS上で、投資、特に米国株に関するコンテンツの需要が高まっており、米国株を含むツイート数は年66%のペースで増加しています。
実際、証券口座開設数は急速に加速しており、2011年から2019年までの9年間で500万口座開設であったのに対し、2020年と2021年の2年間で約500万もの口座が開設されました。
このような追い風環境の中、中村CEOは「この日本で生まれつつある新しい資産形成層を支援し、誰もがより良い未来を描ける社会の実現を目指したい」という強い想いを持ってブルーモを創業しました。
ここで日本のモバイル投資アプリ市場について説明します。図の左上は、ウェルスナビを始めとするロボアド領域です。自分で投資銘柄を考えるのではなく、投資スタイルを選ぶと自動的に複数の投資信託を組み合わせて投資を実行してくれます。最近ではマネックス証券や松井証券など既存証券もロボアドを導入し始めています。
図の右下はいわゆるネット証券で、楽天証券やPayPay証券などがあります。自分で個別銘柄を選んで投資を行います。最近利用者が増えてきましたが、まだまだスマホでは操作しにくいものもあったりします。
ここでブルーモは、スマホアプリ特化の証券会社という立ち位置で、米国株に絞ったユーザーインターフェース(UI)が良いアプリをローンチすることにしました。
ブルーモの事業概要
ここからはブルーモの特徴について説明していきます。
ブルーモはスマホに最適化された優れたユーザーインターフェース(UI)と長期資産形成に必要な機能を持つ新しいスマホ証券アプリです。情報収集から取引まで一貫して一つのアプリで対応しており、初心者でも簡単に投資が行えます。
ブルーモの特徴的な機能は、3つあります。1つ目はポートフォリオ投資機能で、米国株・ETFで銘柄・比率を指定すれば、その目標比率を達成するように必要な売買を計算して取引を実行してくれます。
2つ目はコミュニティ機能で、他人の運用方針を見て自分のポートフォリオを決定したりできます。今までTwitterや掲示板などで情報収集した後に証券サイトで購入していたプロセスが、一つのアプリで完結します。
3つ目は教育コンテンツです。ブルーモのアプリ内で、世界経済・米国市場の動きの分かる情報コンテンツが提供されるため、ユーザーは資産状況の確認ついでに情報収集ができます。この機能は「日本の金融リテラシーを高めたい」という中村CEOの熱い思いが表れています。
経営陣
投資を検討するにあたって、経営陣への理解も深めました。
CEOの中村氏は、東京大学法学部を卒業後、東京大学経済学部修士を修了。財務省、マッキンゼーなど非常に優秀なキャリアを築いています。また一緒に働いていたメンバーからは、「今まで働いていたマネージャーの中で一番優秀。能力が高く、やると言ったことは必ずやり切る。」という意見も聞きしました。マッキンゼー時代の後輩もメンバーとして連れてきていることから、巻き込み力の高さも持ち合わせていることが分かります。
CTOの小林氏は、東京大学情報理工修士を修了。未踏クリエーター、フリーランスエンジニアを経て、Fintechスタートアップのエメラダで執行役員を務めていました。本事業を進める上で、これ以上ない人材だと考えています。
おわりに
Angel Bridgeは、市場拡大が見込めるモバイル投資の領域において、実績のある優秀な経営陣が取り組む新しい投資アプリであるという点を評価しています。
それに加え、中村CEOの熱い野心にも共感しています。中村CEOは大学時代から日本の個人投資環境について課題感を抱き、このテーマをずっと考えていました。日本は将来的に経済危機に陥るリスクを抱えており、それを感じた個人が海外資産に逃避する結果、「日本人がグローバル投資で資産管理する時代」がやってくると考えています。ブルーモは、今この時代に求められている新しい金融インフラを作り、これまで「政府のもの」「専門家のもの」と思われていた投資を「みんなのもの」にすることを目指しています。
日本を代表する金融インフラを実現してもらいたいと考え、今回投資に至りました。
Angel Bridgeは社会に大きなインパクトをもたらすために、難しいことに果敢に取り組むベンチャーを応援していきたいと考えています!事業の壁打ちや資金調達のご相談など事業の壁打ちや資金調達のご相談など、お気軽にご連絡ください!
2023年4月18日、Angel Bridgeの投資先であるブルーモ・インベストメント株式会社(以下ブルーモ)がシードラウンドにて8億円の資金調達を発表しました。
ブルーモは、米国株・ETF投資アプリを2023年夏までにローンチする予定です。現在、日本市場ではロボアドバイザーや短期投資向けのネット証券サービスはたくさんありますが、資産形成を目的とした「スマホでも使い易い長期投資のインターフェイス」は存在しません。そこで、ブルーモはこの領域をカバーするプロダクトをリリースすることにしました。
今回は、ブルーモへAngel Bridgeが投資した理由を解説します。
海外でのモバイル投資アプリの動向
近年、海外ではモバイル投資アプリのユニコーン企業が多数誕生しています。2020年末から2021年にかけてはRobinhoodという初心者向けの投資アプリが爆発的に流行り、多くの若者が株式投資を行うきっかけとなりました。Robinhoodは現在も2,300万の口座を持っています。顧客の預金残高で得られる利息、高頻度トレーダーへの注文情報の販売、証拠金貸与が収益となっていたため、取引手数料が無料であることが特徴的です。
アメリカの個人投資活発化のきっかけは、2020年からの巣ごもり需要です。特に若年層はSNS掲示板での情報交換を通じて気軽に投資を行うようになりました。
他にも、M1 Financeがユーザー数100万人、顧客口座残高61億ドル、Public.comが2021年時点でユーザー数300万人以上と代表的な地位をアメリカで占めています。
日本国内の状況と創業の経緯
では日本国内の個人投資の状況はどうでしょうか。日本はアメリカをはじめとする海外に比べて個人投資が浸透していないのが現状です。しかし、ここ最近外部的な要因で投資への関心が高まっています。
2022年5月、岸田首相は「資産所得倍増プラン」を掲げ、「貯蓄から投資へ」という目標へのコミットを示しました。その実現のため、NISAやiDeCoの拡充・改革などが実施され
、非課税期間が無制限になったり、年間投資額が最大360万円までとなることが決まりました。
TwitterやYoutubeなどのSNS上で、投資、特に米国株に関するコンテンツの需要が高まっており、米国株を含むツイート数は年66%のペースで増加しています。
実際、証券口座開設数は急速に加速しており、2011年から2019年までの9年間で500万口座開設であったのに対し、2020年と2021年の2年間で約500万もの口座が開設されました。
このような追い風環境の中、中村CEOは「この日本で生まれつつある新しい資産形成層を支援し、誰もがより良い未来を描ける社会の実現を目指したい」という強い想いを持ってブルーモを創業しました。
ここで日本のモバイル投資アプリ市場について説明します。図の左上は、ウェルスナビを始めとするロボアド領域です。自分で投資銘柄を考えるのではなく、投資スタイルを選ぶと自動的に複数の投資信託を組み合わせて投資を実行してくれます。最近ではマネックス証券や松井証券など既存証券もロボアドを導入し始めています。
図の右下はいわゆるネット証券で、楽天証券やPayPay証券などがあります。自分で個別銘柄を選んで投資を行います。最近利用者が増えてきましたが、まだまだスマホでは操作しにくいものもあったりします。
ここでブルーモは、スマホアプリ特化の証券会社という立ち位置で、米国株に絞ったユーザーインターフェース(UI)が良いアプリをローンチすることにしました。
ブルーモの事業概要
ここからはブルーモの特徴について説明していきます。
ブルーモはスマホに最適化された優れたユーザーインターフェース(UI)と長期資産形成に必要な機能を持つ新しいスマホ証券アプリです。情報収集から取引まで一貫して一つのアプリで対応しており、初心者でも簡単に投資が行えます。
ブルーモの特徴的な機能は、3つあります。1つ目はポートフォリオ投資機能で、米国株・ETFで銘柄・比率を指定すれば、その目標比率を達成するように必要な売買を計算して取引を実行してくれます。
2つ目はコミュニティ機能で、他人の運用方針を見て自分のポートフォリオを決定したりできます。今までTwitterや掲示板などで情報収集した後に証券サイトで購入していたプロセスが、一つのアプリで完結します。
3つ目は教育コンテンツです。ブルーモのアプリ内で、世界経済・米国市場の動きの分かる情報コンテンツが提供されるため、ユーザーは資産状況の確認ついでに情報収集ができます。この機能は「日本の金融リテラシーを高めたい」という中村CEOの熱い思いが表れています。
経営陣
投資を検討するにあたって、経営陣への理解も深めました。
CEOの中村氏は、東京大学法学部を卒業後、東京大学経済学部修士を修了。財務省、マッキンゼーなど非常に優秀なキャリアを築いています。また一緒に働いていたメンバーからは、「今まで働いていたマネージャーの中で一番優秀。能力が高く、やると言ったことは必ずやり切る。」という意見も聞きしました。マッキンゼー時代の後輩もメンバーとして連れてきていることから、巻き込み力の高さも持ち合わせていることが分かります。
CTOの小林氏は、東京大学情報理工修士を修了。未踏クリエーター、フリーランスエンジニアを経て、Fintechスタートアップのエメラダで執行役員を務めていました。本事業を進める上で、これ以上ない人材だと考えています。
おわりに
Angel Bridgeは、市場拡大が見込めるモバイル投資の領域において、実績のある優秀な経営陣が取り組む新しい投資アプリであるという点を評価しています。
それに加え、中村CEOの熱い野心にも共感しています。中村CEOは大学時代から日本の個人投資環境について課題感を抱き、このテーマをずっと考えていました。日本は将来的に経済危機に陥るリスクを抱えており、それを感じた個人が海外資産に逃避する結果、「日本人がグローバル投資で資産管理する時代」がやってくると考えています。ブルーモは、今この時代に求められている新しい金融インフラを作り、これまで「政府のもの」「専門家のもの」と思われていた投資を「みんなのもの」にすることを目指しています。
日本を代表する金融インフラを実現してもらいたいと考え、今回投資に至りました。
Angel Bridgeは社会に大きなインパクトをもたらすために、難しいことに果敢に取り組むベンチャーを応援していきたいと考えています!事業の壁打ちや資金調達のご相談など事業の壁打ちや資金調達のご相談など、お気軽にご連絡ください!