2023.07.21 INTERVIEW

2019年創業の社債専門のネット証券会社「Siiibo証券」

Siiibo証券の事業内容を教えてください。

宮崎:Siiibo証券は社債に特化したネット証券会社です。資金調達のために社債を発行する企業と投資家を結ぶオンラインプラットフォームを運営しています。

他の証券会社で扱っている株式や社債との違いは?

宮崎:社債も株式も、企業にとって重要な資金調達の手段ですが、その位置づけは似て非なるものです。株式がエクイティファイナンスの手段であるのに対し、社債はデットファイナンスの一種。とくに私たちが扱っているのは社債のなかでも、不特定多数の投資家から数百億から数千億円規模の資金を集める「公募債」ではなく、49人までの限定された投資家から数千万から数億円規模の資金を募る「私募社債」です。公募債に比べ、手続き面や金銭的コストを抑えられるため、大企業でなくても利用しやすいというメリットがあります。Siiibo証券は、伸び盛りの成長企業に資金調達の手段を提供し、個人投資家には新たな投資先の選択肢を提供するため、2019年に創業されました。

競合状況はいかがですか?

社債に特化したネット証券会社はいまのところ当社のみで、直接的な競合は存在していないと認識しています。ただ、企業の資金調達手段という広い意味の競合では、株式投資型クラウドファンディングやソーシャルレンディング、デットファンド、レベニュー・ベースド・ファイナンスなどが挙げられます。私募社債は、多様化する資金調達手段における選択肢のひとつという位置づけです。

なぜ直接競合が存在しないのですか?

宮崎:まず、私募社債を取り扱うにあたって必要な「第一種金融商品取引業」に登録する難しさが挙げられます。とくに新興FinTech企業にとって事業の先行きが見通しづらいなか、登録要件に定められた自己資本比率規制を満たし、組織体制を整えるのはかなり厳しいハードルです。一方、すでに一種業登録が済んでいる証券会社がなぜ積極的に注力しないかというと、既存の公募債事業に比べて規模の小さい私募債は、短期的には収益の上がりにくいビジネスだから。個人的にはこうした構造が事実上の参入障壁になっていると思います。

なぜ、高いハードルがあるにもかかわらずSiiibo証券は参入障壁を突破できたのでしょう?

宮崎:一言で申し上げれば「やりきると決めたから」ですね。そもそもスタートアップ市場の盛り上がりや、分散投資に対する関心の高まりを見れば、社債の活用はもっと広がってしかるべき。発行企業、投資家の双方にメリットがあるのは明らかですし、テクノロジーを活用すれば、コストを抑えながらも法規制に則った形で、発行企業と投資家をつなぐオペレーションが実現できる。それなら、登録完了までは本業で売上を立てられないというリスクを取ってでもやりきろうという意志があったからこそ、ハードルを乗り越えられたのだと思います。

VCの代表を務める河西さんの目にはSiiibo証券の魅力はどう映りますか?

河西:Siiibo証券は企業と投資家双方のニーズをマッチさせるこれまでにない金融プラットフォームです。これだけスタートアップが増えているにもかかわらず、事実上、一部の企業や投資家にしかアクセスできない私募債の市場をより多くの人たちに開くことになるわけですから、非常に有意義な取り組みだと感じています。社会的にも大きな意味があると感じ投資させていただきました。

マッキンゼーで体得した、スタートアップ経営に欠かせない力

 宮崎さんは、東大大学院の工学系研究室を修了し、マッキンゼーを経て、Siiibo証券にジョインされたと聞いています。

宮崎:中学高校時代は天文部に所属しており理系学部を志望していたのですが、興味関心と得意科目が合わず、悩んだ末に法学部に進学しました。入学してはみたもののやはり法学にはあまり興味が持てず。思い切って後期過程で理系に転じ、大学院では、シミュレーションとビッグデータ解析の研究室で計算社会科学を学びました。研究対象は社会、つまり人間の集団行動なので、文系的なテーマに理系のアプローチで取り組めるのを面白そうに感じたこと、またものづくりへの憧れもあったので、ソフトウェアの力で社会に貢献できるかもしれないと思い選んだ研究室でした。ただ、結局職業としてエンジニアは向いていないと感じ、社会に出てからどのような分野で価値を出すことを目指すべきなのか、なかなか方向性が定まりませんでした。

マッキンゼーに入ったのはなぜですか?

宮崎:企業やビジネスを通して人間と向き合うコンサルの世界に興味を持ちましたが、面接で出会った方もクライアントのため、後進の育成のために自己研鑽を怠らない方ばかりで魅力的だったのが一番の理由です。幼い頃から要領がよく、与えられた課題を解くのが得意だった一方、テストでいい点を取るような人生に疑問も感じていたので、企業という人間の社会的行動の中から発生する課題への解決策を導くコンサルタントに惹かれたのだと思います。

マッキンゼー時代に身につけたスキルや経験で、いまの仕事に活きると思われるものは?

宮崎:一筋縄では解けない難題であっても、何度も仮説検証サイクルを回して粘り強くブラッシュアップし続ければ、解決策が見つかることを身を持って体験できたことですね。このほかにも、知見がない状態から情報をキャッチアップする力、不確実な状況のなかでも一度形にする力、トライしてダメでも新しいアプローチを試みるフットワークの軽さや変化に対する耐性、適応力などもマッキンゼーで体得したスキルです。どれもスタートアップの経営にも共通するスキルだと感じます。

河西:調査したり検討したりする時間も大事ですが、実際にやってみなければわからないことが大半です。まさに、仮説を立ててアクションを起こし、もしダメでも諦めず別の道を探るというのはまさに成功するスタートアップのあるべき姿とも重なります。マッキンゼーで素晴らしい経験をされたんですね。

宮崎:はい。ある程度形にできたら走り出して走りながら考えるというのは、スタートアップやコンサルに共通する価値観でありマインドだと思います。

そんな宮崎さんがマッキンゼーのあとに選んだのはSiiibo証券でした。理由を聞かせてください。

宮崎:あるとき大学院時代の同級生で弊社の代表を務める小村(和輝)から「週末だけでも手伝ってほしい」といわれたのが、Siiibo証券に入るきっかけでした。

河西:いずれ入社する心づもりで手伝いはじめたのですか? それとも手伝ううちに徐々に気持ちが変化してお入りになった?

宮崎:それで申し上げると完全に後者ですね。私はどちらかといえばゼネラリストで裏方気質。自分で起業するよりも誰か熱いパッションを持った人を支える立場の方が役立てるだろうなという思いは以前から持っていました。でも小村と違い私には金融のバックグラウンドはありません。小村のやろうとしているビジネスが本当に解くべき課題かどうか最初のうちは判断がつかなかったんです。しばらくの間、仕事の合間を縫ってミーティングの議事をまとめたりタスクの進捗を管理したりするうち、徐々に個人向け社債市場の小ささや、需給の間を取り持つシステムの必要性を痛感して考えが固まりました。

公私にわたるお付き合いで深まる信頼関係

改めて、現在、宮崎さんはSiiibo証券でどんな職務を担っていらっしゃいますか?

宮崎:代表と協力して経営方針の策定にも関われば、採用や社内制度・プレゼン資料作りにも携わりますし、ときには関係当局との対応を行ったり、関連法規を読み込んでエンジニアと一緒にシステムの仕様を考えたりすることもあります。スタートアップのCOO(最高執行責任者)は、社内における最後の砦。それだけに業務範囲は多岐にわたります。今の事業ステージだと、同じCOOでも「チーフ・オペレーティング・オフィサー」というより、何でも屋に近い「チーフ・アザーズ・オフィサー」なのかもしれません。

Angel Bridge との出会いについて教えてください。

宮崎:2021年の夏にお会いしたのが最初でしたね。

河西:はい。Siiibo証券さんのメンバーと私どもの投資先のメンバーに共通の知人がいらして、その紹介でお会いすることになりました。実は面会のお約束をいただく前からSiiibo証券の存在は耳にしており、近々ぜひお会いしたいと思っていたんです。実に絶妙なタイミングでの出会いでした。

宮崎:河西さんは「われわれのことも知っていただきたいので」とおっしゃって、早々にメンバーの皆さんを伴ってオフィスを訪ねてくださいましたよね。お会いした3か月後にはシリーズBラウンド投資にも参加してくださいましたし、意志決定はどのVCよりも早かったのが印象に残っています。

河西:そうでしたね。ネット証券会社をゼロから立ち上げるのは並大抵のことではありません。それにもかかわらず、すでに第一種金融商品取引事業者登録も済ませておられましたし、代表の小村さん、宮崎さんをはじめとした、経営チームの皆さんの優秀さに惹かれました。困難をものともせず課題に真正面から向き合っている姿を見て「決して途中で投げ出すことはない」と、確信しました。これはご支援しないわけにはいきません。そんな気持ちが、意志決定の早さに表れたのだと思います。

Angel Bridgeからはどんな支援を受けていますか?

宮崎:取締役会の運営についてご支援いただいたのが最初です。シリーズAからシリーズBに移るタイミングは、カルチャーや制度を含め、アーリーステージからの脱却が課題になります。河西さんをはじめ、Angel Bridgeの皆さんには、アジェンダの設計、報告すべき内容、KPI、討議すべき課題の優先順位など、他社の事例を交えながら丁寧にレクチャーしていただきました。現在は引き続き定例ミーティングで助言をいただいているほか、代表の小村の相談相手として力強いサポートをしていただいています。

Angel Bridgeが、他のVCと違うと感じる点があれば教えてください。

 宮崎:バーベキューやお食事会を開いてくださったり、フィンテック業界以外の起業家を交えた勉強会にお誘いいただいたりと、相互理解を深めることに気を配ってくださってくださるおかげで、私たちのことを人間性を含めて一番よくご存じのVCという印象です。プロフェッショナリズムには信頼できる人間関係が欠かせないと思われているからこそ、公私にわたるコミュニケーションを大切にされているのだと感じます。

河西さんは宮崎さんのお人柄をどう見ていらっしゃいますか?

 河西:代表の小村さんがグイグイとビジネスを引っ張っていくタイプに対して、宮崎さんはコミュニケーション能力高く社内の潤滑油のような存在だと思っております。小村さんのアイデアや構想を受け止め、周囲を巻き込みながら着実に実務に落とし込み実行に移していく。そんな実務家でありながら、一方で周囲に気配りができる方。そんな印象を持っています。

宮崎さんは河西さんの人となりを、どんなふうにとらえているんですか?

宮崎:河西さんはバイタリティがあり投資の目利き力がありながら、投資先に対して課題や問題点を指摘するにしても相手にストレスを与えずフランクにアドバイスしてくださるので、不安が先立つことが多いスタートアップの経営陣には良きメンター的な存在です。

「社債といえばSiiibo証券」といわれる会社に

宮崎さんはこれからSiiibo証券を通じて、どんな社会を実現したいですか?

 宮崎:貯蓄から投資へと日本人の資産形成のあり方が大きく変わりつつあります。これからも引き続きSiiibo証券を通じて、社債のメリットを広く社会にお伝えしながら、発行企業、投資家双方に有望な資金調達・投資の選択肢を提供したいと思っています。その結果「社債といえばSiiibo証券」といわれるようになれたらうれしいですね。

Angel Bridgeは、これからどんなバックアップを提供されますか?

 河西:これまで通り資金面や事業面でのご支援はもちろん、精神的な面からも積極的にサポートを提供しながら、より深いレベルで信頼関係を築ければと思います。宮崎さんがおっしゃるように「社債といえばSiiibo証券」といわれるよう、私たちも助力を惜しまないつもりです。

最後に現在プロフェッショナルファームや投資銀行などにお勤めで、スタートアップに関心をお持ちの読者にメッセージをお願いします。

 宮崎:スタートアップに飛び込んだ途端、会社の看板がなくなり、自分の身ひとつで課題と向き合うことになります。きらびやかで華やかなイメージがあるかもしれませんが、むしろ泥臭いことのほうがはるかに多いので、ゼロから学び直す気持ちでチャレンジしたほうがいいように思います。スタートアップは細かい失敗と挫折の連続です。特に経営者としてくじけずやりきるには「この人たちのためなら、どれだけしんどくても頑張れる」と思えるテーマや信頼し合えるメンバーでビジネスをすべきではないでしょうか。もしそんな人と出会えたら、スタートアップにジョインするチャンスかもしれません。

河西:答えが見えない大きな課題に挑むのは、コンサルをはじめプロフェッショナルファームもスタートアップも同じです。取り組むべき課題を見つけたなら、宮崎さんのようにどんどんチャレンジしてほしいですね。Angel Bridgeはこれからもアグレッシブな起業家マインドを持ったビジネスパーソンを応援し続けます。

2023.07.03 ACADEMY

前回のスタートアップアカデミー#5-1では、Angel Bridgeが行うハンズオン支援の「組織」についてご紹介しました。

本記事では、Angel Bridgeが行うハンズオン支援の「事業・ファイナンス・経営のPDCAサイクル」について詳しく説明していきます。

 

1. 事業支援

「事業(モノ)」に関する支援では、企業の戦略策定に向けた壁打ちと顧客紹介を主に実行しています。

戦略策定の壁打ちでは何をしているのか?

月次定例会の中で戦略策定の議論を行い、事業戦略やIPO、資金調達などの様々な経験を生かしたアドバイスをします。Angel Bridgeのメンバーはコンサル・投資銀行出身者が多く、その経験を活かして経営課題の特定やKPI設計のサポートを行います。

具体例として、価格感度分析を行ったLocusBlueの事例があります。
以前LocusBlueの宮谷CEOにインタビューした時、次のようにおっしゃっていました。

宮谷:以前、価格体系を見直すにあたって、何を基準に妥当な価格を決めるべきかわからず悩んでいたとき、Angel Bridgeさんから「価格感度分析をやってみませんか」と提案いただいたことがありました。顧客に送る調査項目のリストアップから分析資料の作成までテキパキと進めてくれたおかげで、私は調査票をお客様に送って結果を聞くだけ(笑)。以前から数値分析に強い方々とは聞いていましたが、そのクオリティの高さはまさに戦略ファーム品質で感動を覚えるほどでした。

(参考記事:元エアバスの技術者が狙う建設DX [ローカスブルー宮谷聡代表 × Angel Bridge 林])

このような形でAngel Bridgeは戦略策定において投資先企業に対し、豊富な経験を活かしてプロジェクトベースで様々なアドバイスやサポートを提供しています。

 

顧客先の紹介事例

顧客先の紹介では、製品・サービスの営業先など、今後の事業拡大に役立つ可能性のある企業を紹介します。ベンチャー企業はまだ信頼が不足しており、ネットワークも脆弱で自社でリーチできないケースも多いため、VCが補っていくことが必要でしょう。

Angel Bridgeが行った営業先の紹介の一例として、飲食店DXサービスを手掛けるベンチャー企業であるGoalsの新たな導入先への営業支援が挙げられます。Angel Bridgeでは、自身のネットワークを活用してGoalsに対して飲食店の営業先を紹介しました。数十~数千の店舗を持つチェーン店でも、食材発注システムの内製化は難しくDX化がまだまだ進んではいないというのが現状です。以前Goalsの佐崎CEOにインタビューした時、次のようにおっしゃっていました。

佐崎:経営に関する課題についてご助言いただいているのに加えて、食品業界に豊富な人脈を持っていらっしゃる、パートナーの林さんのご助力で、大手外食チェーンの経営陣にお引き合わせいただくなど、特に営業活動の面で多大な支援をいただいています。

河西:林からはお客様候補をご紹介させていただき、私からは共有いただいた経営指標をもとにした数値分析や業界分析など、主に経営や営業戦略の面からサポートさせてもらっています。経営のPDCAサイクルを回す上で必要な支援は可能な限り行うというのが私たちの方針です。

佐崎:毎回、大所高所に立った視点でアドバイスしていただけるので、発見や気づきが多く、いつもディスカッションの時間が楽しみです。おかげさまで、当初は和食チェーンを運営するお客様が1社のみという状況でしたが、現在は上場企業を中心に20社ほどのお客様にご利用いただくまでになりました。Angel Bridgeさんのご支援にはとても感謝しています。

(参考記事:AIで食品業界の未来を変える [Goals 佐崎CEO× Angel Bridge 河西])

このような形でAngel Bridgeは顧客先支援も積極的に行っています。商談成功のためには、取締役や経営企画室の方に直接アプローチする事が重要となります。スタートアップだけではなかなかアプローチできない経営層の方を多数お繋ぎし、1,000店舗を超す大手飲食チェーン店の成約にも成功しました。MRRでは300万円と大きく売上に貢献しました。

2. ファイナンス

実践的な調達支援

Angel Bridgeは資本政策の策定や追加の資金調達支援も行います。特に、シードアーリー段階で投資を受けたベンチャー企業にとっては、次の成長段階での資金調達計画が重要です。具体的にはベンチャー企業と協力し、適切な資金調達の時期・金額を検討します。事業計画やピッチ資料の作成をサポートしたり、相性が良さそうなVCや事業会社をリストアップし、ベンチャー企業のニーズに合わせてお繋ぎします。

バイオベンチャーのHeartseedがその一例です。次ラウンドの出資先を探すにあたって、まずリード投資家となり得るVCを探しました。特にHeartseedは大規模な資金調達が必要なため、次のラウンドでも投資が可能なディープポケットのVCに優先的にアプローチしました。次に事業シナジーがある事業会社などもHeartseedに紹介し、大手製薬会社、医療機器メーカー、医療系卸売企業から資金調達を行いました。これまで計5回、累計102億円の資金調達に貢献しました。

 

IPO支援とは何をするのか?

Angel Bridgeは、ベンチャー企業のIPO支援も行っています。ベンチャー企業はIPOの経験がないことが多いため、成功確度を高めるために必要なノウハウやベストプラクティスを提供します。IPOの際には、適切な主幹事証券や監査法人を選ぶことが必要です。そのため、複数の証券会社から提案書をピッチしてもらい、証券会社のチームやエクイティストーリーに基づいて決定します。さらに主幹事証券の決定の手助けに加えて、その後のエクイティストーリーの作成においてもサポートを行います。このようにAngel Bridgeはベンチャー企業のIPOを成功に導くため、幅広い支援を提供しています。

 

3. 経営のPDCAサイクル

経営のPDCAとは

「経営のPDCAサイクル」に関する支援はヒト・モノ・カネをどう回すかといった経営のOS(オペレーティングシステム)のようなものです。取締役会を起点に株主も巻き込んだ年12回の大きなPDCAサイクルを回す体制の構築を支援します。会社の羅針盤となるKPIの設計や経営の見える化など、組織としての運営体制を経営陣と共に作り上げていきます。

図のように会社内のピラミッド構造に基づいた会議体を設計し、現場と経営陣の間、および経営陣同士のフィードバックを円滑に行うことを促進します。

Angel Bridgeは、このような形で経営のPDCAサイクルを確立するための取り組みを行い、ベンチャー企業の成長を支援しています。

 

経営のPDCAサイクルはなぜ重要か?

経営のPDCAサイクルは、経営陣が組織を適切に統率し、持続的な成長を実現するために不可欠なツールです。組織の人数の観点から経営のPDCAサイクルの重要性を深掘りしましょう。

組織人数が30人未満のシード期の場合、事業スピードが重視されるため、経営者と従業員の距離は近く従業員は比較的横並びの組織構造をしています。しかし、このままでは人的リソースが制限されるため、組織を大きくしていく必要があります。ここでよく言われるのは、「30人の壁」問題です。なんとなくで上手く従業員をまとめ上げてた経営者の多くは従業員が30人になった時に躓きます。乗り越えるためには、仕組みで支えられた経営へ早期に移行する必要があるのです。

KPIの設定と会議体の設計が適切に行われていると、執行の細部までマイクロマネジメントを行わなくても企業全体の状況が把握できます。社内メンバーに「権限移譲」ができ、経営者が一人で全てを見る必要が無くなるため、今後の成長戦略など特に経営者が取り組むべきことにリソースを注力できます。

さらに、経営のPDCAサイクルが上手く回っていると、IPOを達成した後の株主に対する適切な情報開示も円滑に行うことができます。

 

4. ステージごとの支援内容

Angel Bridgeはシード期からIPOまで一貫した支援メニューを提供しています。これまでに説明したハンズオン支援を、企業のステージごとに振り返りっていきましょう。

まずシード期は事業戦略の壁打ちを行ったり、実証実験の相手先のご紹介を行います。アーリーステージに差し掛かり、次の資金調達が近づくとそのサポートを行います。さらに調達した資金を使って事業が成長してくると、経営人材採用支援や事業提携先の紹介を行います。ミドル/レイターに入るとIPOに向けての人材採用支援、そして引き続き資金調達支援も行います。IPOが数年後に見えてきた際には、監査法人の選定・主幹事証券会社の選定・エクイティストーリー構築支援も行っていきます。

さらに、これまで行っていた定例会がIPO準備のタイミングになると取締役会へと移行していきます。取締役会に移行してからも経営のPDCAサイクルがより一層回るよう支援します。

このような形で投資したタイミングからIPOまで一貫したサポートをAngel Bridgeは実施しています。

5. まとめ

前回から引き続き、組織、事業、ファイナンス、経営のPDCAサイクルの4つの側面からAngel Bridgeのハンズオン支援を説明してきました。Angel Bridgeは単なる資金提供に留まらず、豊富な経験とネットワークを活かし、ベンチャー企業と共に走り抜けるパートナーとしてサポートしています。

VCと言っても投資先企業とのかかわり方は、多種多様です。最近ではSNSやブログ記事、イベントなどで積極的に情報発信しているVCも多いので、簡単にチェックすることができます。投資先の企業から評判を聞いたり、知人のツテを使うなど情報収集を行いましょう。アプローチ方法としてはツイッターアカウントへのDM・オフィスアワーへの申し込み・HPへの問い合わせ・人づての紹介・イベントへの参加など様々考えられます。後悔のない資金調達ができるよう、最大限活用していきましょう。