何色にも染まる(山口拓哉)

【山口拓哉(Angel Bridge アソシエイト)】

2024.05.09

Angel Bridgeは、日々投資先のビジョンを叶えるため、起業家と伴走しています。そのAngel Bridgeメンバーの想いを、ここではみなさんにお届けします。今回はアソシエイトの山口拓哉(やまぐちたくや)が、入社の経緯や現在の仕事内容、仕事のやりがい、今後の目標などについてお話します。
山口拓哉 アソシエイト
  • 慶應義塾大学理工学部管理工学科を経て、東京大学大学院工学系研究科に進学。修士課程修了後、2021年ボストン コンサルティング グループに入社し、中期成長戦略、新規事業戦略、M&A戦略、ターンアラウンド戦略の策定などに携わる。2024年2月スタートアップ支援を志しAngel Bridgeに入社。

グローバルファームからVCへの転身を促したもの

——山口さんは毎日どのようなスケジュールでお仕事をされているのでしょうか?

仕事の割合でいうと、新たな投資先を探すソーシングに3割、新たな投資先を選定するためのデューデリジェンスに5割、残りの時間はWebサイトの更新やSNSアカウントの運用、社内イベントの企画や実行など、自社のブランディングにまつわるマーケティング活動に費やしています。今後、担当する投資先が増えればバリューアップ支援の割合が増えていく見込みです。

——Angel Bridge入社前はどのようなキャリアを歩んできたのでしょうか?

慶應義塾大学にて数理モデルの構築・分析によって意思決定の最適化を行う「オペレーションズリサーチ」という学門を学び、さらに東京大学大学院で国際物流の最適化シミュレーションの研究をした後、ボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)に入社しました。Angel Bridgeに入社したのは2024年2月のことです。

——なぜ新卒でBCGに入社しようと思ったのですか?

そもそもコンサルタントを志すようになったのは、大学3年生のころ、海外インターン交流を支援する学生団体の代表を経験したのが最初のきっかけです。学内だけでも100人にもおよぶメンバーを束ね、団体の将来や戦略を考えるうちに、経営戦略立案に興味を持ちました。理系の学生でしたので「制約がある中でどのように効用を最大化するか」という観点で、オペレーションズリサーチや国際物流の最適化の研究を行った後、戦略コンサルタントとして経営戦略の策定に携わることに決めました。数あるコンサルファームの中でもBCGを選んだのは、BCGが日本で一番成功している戦略ファームだからです。経験できる案件の幅が広く、日本を代表する企業のために働くことで、日本経済の成長に貢献できると考えました。

——BCGではどんなお仕事を?

在職中は、消費財・通信・メーカー・PEファンドなどのクライアントに対し、中期成長戦略・新規事業戦略・M&A戦略・ターンアラウンド戦略の策定などを支援するプロジェクトを経験しました。グローバルなプロジェクトメンバーやクライアントの社員様など、バックグラウンドが異なるメンバーと協働し、価値ある成果を出す難しさや醍醐味とともに、定量的に経営を捉え戦略に落とし込む面白さを体験できたのは、いま思い返しても貴重な経験だったと思います。

——かつての同僚で、山口さんと同じようにVCをセカンドキャリアに選ぶ方はいらっしゃいましたか?

身近な先輩のなかにも何人かいらっしゃいます。いまは国を挙げてスタートアップ投資を増やしていこうという流れがありますし、スタートアップへの投資環境が成熟するなかで、コンサルタントとしてスタートアップビジネスに関わる機会も少なくありません。何よりコンサルタントは好奇心旺盛な方が多いので、「コンサルとしては支援しづらいスタートアップビジネスに関わりたい」という方も多く、また投資判断のプロセスや投資後のご支援などで戦略コンサルタントが持つビジネス分析力や戦略立案力に対するニーズが高まっているのも一因だと思います。

——山口さんはどのような思いでVC業界に転身しようと?

学生のころから起業したりスタートアップで活躍する友人が多く、新しい価値を世の中に届けようと努力する人たちを応援したい、強い思いを持って起業に臨んだ経営者をサポートしたいと思うようになりました。スタートアップエコシステムの中でもセカンドキャリアとしてVCを選んだのは、多くの熱量のある起業家と関わりながら、一つの会社だけでなくスタートアップを取り巻くエコシステム全体を盛り上げられたら、きっと日本経済への貢献にもなりますし、投資判断のプロセスや投資後のご支援の中でBCGで培った経験やノウハウを活かせそうだと思ったからです。

 

アットホームでありながらプロフェッショナルな社風

——数あるVCのなかからAngel Bridgeを選んだ理由は?

実は1号社員でAngel Bridgeに入社した八尾は大学院の学科の先輩にあたり、パートナーの河西についても八尾を通じて面識があったので、以前からAngel Bridgeの社風を知っていたことが、転職を後押ししてくれました。いずれ日本を代表するメガベンチャーを創出するんだという大きなビジョンを掲げつつ、自らも日本を代表するVCになろうという成長意欲の高さにも共感しましたし、Angel Bridgeにはプロフェッショナルファーム出身者が多くカルチャーフィットが期待できそうなのもAngel Bridgeを選んだ理由です。

——入社されていかがですか? 率直な感想を聞かせてください。

実際働いてみて感じるのは、投資先と一緒に知恵を絞り「どうしたらその理想を実現できるか」という観点で、前向きな議論を尽くせるのは非常に楽しいですしやりがいを感じます。それと同時に経営者の思いや人柄に寄り添いながらみなさんのご期待に応える難しさも感じるので、それについては今後の課題になりそうです。Angel Bridgeのメンバーのアウトプットのクオリティの高さや、投資先に対して主体的に貢献しようとするマインド、オーナーシップを持って仕事に取り組む姿勢は想像通りでした。仕事に対する前向きな姿勢と最後までやりきるプロフェッショナルな意識は、すべてのメンバーから感じるところです。

——社風についてはいかがでしょう?

Angel Bridgeはオンもオフもどちらも楽しくやろうという人たちの集まりなので、仕事に全力で取り組む一方で飲み会やバーベキュー、ゴルフなど、社内イベントも盛んです。社員同士はもちろん投資先同士も非常に仲がよく、アットホームな社風だと思います。

——Angel Bridgeのパートナー陣は山口さんにとってどんな存在ですか?

河西は深い知見に基づいた分析力や決断力に学ぶところが多く、林については豊富なビジネス経験に基づいた人脈の広さや人望の厚さで定評があります。2人とも投資先のビジネスはもちろん、起業家の人柄や想いの丈をよく理解した上で、確信を持って投資しているからこそ、迷いなくコミットできるんでしょうね。パートナー自ら投資先に対してここまで多くの時間を割いているVCは、おそらくAngel Bridge以外にないのではと思うほどです。

——投資先との信頼関係を紡ぐためには何が必要だと思いますか?

Angel Bridgeに入って、相手の立場に立ってプロフェッショナルファーム品質の価値を提供し続けることが、信頼を勝ち取る唯一の道だと思うようになりました。それは投資を検討させて頂く段階においても変わりません。経営課題の改善や成長に資する示唆を少しでも出し、起業家のみなさんに喜んでいただけるよう全力を尽くすこと。それがみなさんにAngel Bridgeを選んでいただく強い原動力になるはずです。投資先と手を携え、同じ目的に向かって走るには、常に相手の立場や気持ちに思いをはせ、ロジカルかつハートフルに振る舞うことが欠かせないと考えています。

——山口さんはどんな人と働きたいですか?

Angel Bridgeで活躍するにはオーナーシップの強さが求められます。投資先を支援する上で必要になるのはもちろん、Angel Bridge自身もまたスタートアップフェーズにあるからです。いわれたことだけをしっかりとこなすだけで満足せず、自ら積極的に提案する人が重宝されるのはスタートアップならではでしょう。努力を惜しまず能動的に動ける方とご一緒したいと思います。

 

起業家の支援を通じてメガベンチャー創出を目指す

——これからAngel Bridgeで成し遂げたい目標を聞かせてください。

一社でも多くスタートアップの成長に寄与するのが当面の目標です。中長期的な目標は、個人の名前で仕事ができるようになることと、投資先のみなさんに「この人と一緒にいると成功できる気がする」という安心感や希望を与えられる存在になりたいですね。その上でメガベンチャーの創出に携われたらこれ以上の喜びはありません。そのためにもこれから多くの経験を通して成長したいと思っています。

——最後に山口さんが大切にしている信念を教えてください。

私自身、尖ったアイデアと実行力を伴った強い信念をお持ちの方を支援するのが好きですし、自分にない感性や能力を持つ方に頼られるのはありがたいことだと感じます。そんな方々に気軽に声をかけていただくには、「何色にも染まる」余地を常に残しておくのは大事なことではないでしょうか。VCである以上、ベンチャーファイナンスの専門家として価値を出すことはもちろんですが、どんなことであっても最初に頼られ、価値を出せる人になりたいです。「何色にも染まる」には、普段からのインプットやそれを基にした思考に加え、人間としての懐の深さが欠かせません。相手の想像を超えるような成果を届けられるようなビジネスパーソンになるためにも、養っていきたい能力だと思います。

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