COLUMN

Angel Bridgeインターンレポート

VCインターンでの業務内容と学びをご紹介します。

2022.12.22

Angel Bridgeでインターンとして勤務している黒田です。現在京都大学医学部医学科5年生に在籍していますが、2022年1月から1年間休学し、週5日間フルタイムで働いてきました。インターンを卒業するこのタイミングで振り返りも兼ねて、記事を書くことにしました。Angel Bridgeのインターンではどのような業務をするのか、どのようなことを学べるのかについて書いていきたいと思います。VCインターンに興味がある学生の方々の参考になれば幸いです。前任の河野もインターン業務紹介記事を書いているのでそちらも併せてお読みください。Angel Bridgeジュニアアソシエイトの業務紹介|インターンの立場から学べること


Angel Bridgeインターンに応募した経緯

もともと私はスタートアップや起業、VCについて特に関心をもっていたわけではありません。しかし、2021年9月にPayPalがPaidyを3,000億円で買収したというニュースを目にして「0からこんなに価値あるものを作ることができるんだ!」と、驚きました。そして、よくよく調べていくと、スタートアップを興す起業家が社会に大きな価値をもたらしていること、そして彼らを支える投資家が存在することを知りました(もちろん成功した暁には彼らが莫大な利益を得ていることも)。

そして、自分も起業したいと思ったと同時に、将来的な資金調達も見据えた時に投資家の観点でのスタートアップの評価方法も知りたいという気持ちが芽生えました。そこでインターン募集をかけているVCを探したところ、Angel Bridgeを見つけました。Angel Bridgeは少人数組織で密なコミュニケーションが期待でき、またバイオベンチャーに投資している点も医学部生の自分には魅力的でした。早速Twitterで応募したところ、インターンとして働くことが決まりました。

医学部は閉鎖的な世界になりがちで、自ら飛び込まない限り、なかなか外の世界を知ることができません。一方で、思い切って知らない世界に飛び込んでみると思ったより面白い経験ができるもので、興味を持ったことについては深く調べてやってみようと挑戦する姿勢が大切だと思います。

Angel Bridgeでの業務内容

Angel Bridgeで1年間行ってきた業務とそこから学べたことについてソーシング、投資検討、ハンズオン支援、イベント参加の4つに分けてご紹介します。

①ソーシング
ソーシングとは投資案件を発掘する業務です。インターン生はスタートアップのデータベースを用いてリストを作成し、そこから気になった企業と面談のアポを取ります。また、海外で成長しているスタートアップを調査し、それに類似した国内スタートアップを探してみたりもしていました。
ソーシング (実際に使用したデータベースINITIAL: https://initial.inc/
膨大な数の会社を見ることができるので、世の中に存在する様々な市場や事業モデル、最先端の技術を知ることができたり、成功している会社にはどのような共通点があるのかを考察したりと、学べることはたくさんありました。
ソーシングはインターン生でもバリューを発揮しやすい領域だと思います。私は医学部生としてヘルスケア領域のスタートアップに関しては意識的に自分の意見を出すようにし、面談の際はできるだけ的を射た質問をしようと心がけていました。まずは自分の好きな領域、得意な領域からバリューを出そうとする姿勢が大切だと思います。
②投資検討
投資検討に入ると様々な項目について検証を進めます。ビジネスモデル・プロダクトの質・市場環境や経営者の実績・人柄が挙げられます。
こちらの記事で詳しく解説しています)
スタートアップアカデミー#3|VCが投資検討する際に重要視するベンチャー企業のポイントとは?
ここでもインターン生が担当できる業務があります。
具体的には、いただいた経営データの分析や市場/競合調査などを行います。また、顧客インタビューや専門家インタビューにも出席させてもらい議事録を取ったりもしました。
投資検討の過程でどのような項目を検証すべきか、そしてそれらの項目をどのように検証するかを学ぶことができました。これは将来自分が起業する際にも、市場分析や投資家への事業説明など様々なタイミングで必ず活きてくるだろうと考えています。
③ハンズオン支援
Angel Bridgeは投資したスタートアップをハンズオン支援することが特徴のVCです。ヒト・モノ・カネ・経営のPDCAサイクルという4つのカテゴリでハンズオン支援を行っているのですが、私は特にモノ(事業)のところで投資先の企業の意思決定をお手伝いさせていただきました。具体的には、投資先のSaaS企業の経営データの整理・分析や、バイオベンチャーの新規参入のための市場調査をコンサルのプロジェクトのような形で行いました。
ハンズオン支援
ここでは起業家や経営陣の方と一緒にプロジェクトを進めるという経験ができました。その中で、最終的なアウトプットをイメージし作り上げていくプロセスや、社外関係者とコミュニケーションをとる方法、タイムマネジメントなど非常に多くの学びがありました。
④イベント参加
Angel Bridgeでは、投資先の社長、経営陣の方々を交えたBBQやフットサルなどのイベントを開催しています。様々なバックグラウンドを持った社長さん方に直接お話を聞ける機会をいただけたのは、非常によい経験でした。起業しようと思ったきっかけや、会社経営において重要だと考えているポイント、大変だったエピソードなど興味深い話を沢山聞くことができました。
イベント参加 (投資先の社長、経営陣の方々を交えたBBQ)
また、スタートアップのピッチイベントにも参加しました。ここでは様々なスタートアップの話を聞いたり、インターンしている学生と繋がることができたりと、ソーシングとネットワーク構築という両面で役に立ちました。

このようにAngel Bridgeのインターンでは様々な業務を行ってきました。インターンだからとリサーチや資料作成に終始するのではなく、実際に投資検討の議論やハンズオンの現場に入らせてもらったことで、学生ではなかなかできない経験ができたと思います。

インターンでの学び

Angel Bridgeで学んだインターンとして働く上で意識すべき2つのことをご紹介します。どちらも完璧にこなすことは非常に困難で、私自身もっとこうすべきだったと反省する点が山ほどあります。これから社会に出て働く上で意識したいポイントでもあります。

①自分のアウトプットに責任を持ち、コンプリートワークを意識する
インターン生は基本的にキャピタリストから仕事を依頼され、アウトプットを出すことが仕事の中心となります。その際にミスをなくし100%の状態にしようという意識が大切です。もしミスがあるとなると、仕事の依頼者に確認の作業が発生し、全体のタイムマネジメント計画が崩れてしまいます。また、インターン生自身の作業時間も無駄になってしまいます。このようなことが起こらないようにコンプリートワークを意識して繰り返すことで、依頼者からの信頼が蓄積し、より難しく面白い仕事を依頼されるようになります。これがひいてはインターン生自身の成長にもつながります。
しかし、実際に実行するのは難しく、ふと気が抜けると確認を怠って中途半端なアウトプットを出してしまうことがありました。まだまだ無意識でできるレベルには程遠いですが、この意識を持つことが大切だと学べたことは非常に良い経験だったと思います。
②相手の求めていることを想像して、その期待を超えることを意識する
仕事を依頼された際には、依頼者の目的を推察し、それを達成しやすいように工夫してアウトプットを出す必要があります。ここで頭を使わずに指示されたことだけをやっているとただの作業屋になってしまいます。依頼者が細かく指示を出さなくてもよいように、想像力を働かせることで相手の求めていることに応える、もしくは期待を超えようとする意識が大切です。
これもなかなか実行が難しかったです。タスクがたまっていたり、少し工数のかかる依頼になったりするとクオリティが落ちてしまうことがよくありました。今後どのような仕事をするにしても、この意識を持っておきたいと考えています。

他にも仕事をする上で意識すべきことをプロフェッショナルファーム出身のキャピタリストの方々に教えてもらいました。Angel Bridgeメンバーは非常に面倒見がよく、オリエンテーションから仕事のフィードバック、キャリアの相談まで丁寧にコミュニケーションを取ってもらえてとても感謝しています。VCでインターンをしてみたいという学生にとっては最高の環境ではないでしょうか。

また、ここまで真面目な話をしてきましたが、Angel Bridgeでは合宿やゴルフ、飲み会やBBQなど仕事以外でも楽しいイベントがあります(笑)とても和気あいあいとした雰囲気でイベントが行われていることが少しでも伝わりますと幸いです。

インターンでの学び (合宿)
インターンでの学び (ゴルフ)
インターンでの学び (お寿司に連れて行ってもらいました笑)

最後に

この1年を振り返ると、Angel BridgeのVCインターンでは本当にいろいろな経験をさせてもらいました。このインターンで学んだことは今後のキャリアの中でも必ず役に立つだろうと確信しています。

最後に、この記事がVCでのインターンに挑戦しようという学生の後押しになれば非常に嬉しいです。

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