INTERVIEW

KYCの社会インフラ化を目指して

[KYCコンサルティング飛内社長 × Angel Bridge 林]

2022年4月にシリーズBの資金調達を果たした、KYCコンサルティング株式会社。独自に構築した反社情報データベースをSaaSモデルで提供し、高性能、高速、安価なサービスを実現しています。なぜKYCやコンプライアンスチェックの情報を提供しようと考えたのか、どのような仕組みで効率化を行っているのか、そしてKYCコンサルティングの目指す世界について、KYCコンサルティング 代表取締役社長の飛内氏とAngel Bridgeパートナーの林に聞きました。
飛内尚正 KYCコンサルティング代表取締役社長
  • 中央大学卒業後、海上自衛隊幹部自衛官として勤務後、20年以上国内の危機管理会社にて数多くの企業不祥事、事件・事故対応、反社対応、マネロン対応、労務紛争対応等の企業危機管理実務とそれらの未然防止のコンサルを経て、2018年、KYCコンサルティングを設立。
林正栄 Angel Bridgeパートナー
  • 伊藤忠商事にて北米統括シカゴ支店長などを務めた後、1部上場企業取締役、コンサルティング会社代表取締役、エミアル株式会社代表取締役社長などを経て2015年Angel Bridgeを設立し、現在に至る。
  • 慶應義塾大学経済学部卒、ノースウエスタン大学Kellogg MBA修了。
KYC、コンプライアンスチェックの効率化

事業内容をご説明いただけますか?

飛内:主にKYC(本人確認)とコンプライアンスチェックに関わるデータの提供とコンサルティングサービスを行っています。反社会的勢力等の団体に所属していないか、過去に犯罪や不祥事への関与などがないかなど、主に属性を見てアドバイスを提供しています。
具体的な方法としては、公知情報というインターネット上のメディアや風評などの情報をシステムで定期的に取得して、ノイズを消去し、顧客に必要な情報だけを自動で抽出、整形、解析します。公知情報の取得は30分に1回のペースで24時間、365日行っています。

同様の事業を行っている企業は他にありますか?

飛内:いくつかありますね。一方でKYCやコンプライアンスチェックに関わる情報を提供している企業は、これまで労働集約型で人の手で行うことが中心でしたが、弊社はそれをシステムに置き換えて自動化しています。ヒューマンエラーやチェックスキルといった属人的な作業を均一化でき、さらにコストが格段に下がるといったメリットがあります。

世の中の不幸を減らしたい
世の中の不幸を減らしたい

なぜKYCコンサルティングを創業しようと思ったのですか?

飛内:私は20年以上の間、危機管理会社で企業のリスクマネジメントを行っていました。その中で企業不祥事・事件・事故を数多く見て、このようなことが起きてほしくないと思ったのがきっかけです。
また、これまで労働集約型で行われていたKYCやコンプライアンスチェックに対し、新しい金融サービスであるフィンテックやDX目線を取り入れながら効率化、コストダウンを行う必要性があると感じたため、思い切って新しく会社を立ち上げました。

飛内さんの他にはどのようなメンバーが集まっていますか?

飛内:顧問には伊藤忠の元常務である木村とジャスダック証券取引所の元常務である徳原がいるほか、営業では金融機関出身者やインターネット風評に関わっていた方がいます。
私はブロックチェーン推進協会のリスク管理部会で会長を行っているので、そこで知り合って加入したエンジニアもいます。

Angel Bridgeとの出会いを教えてください。

飛内:2019年に生損保会社のコンサルタントの方に林さんをご紹介していただき、まずお人柄が素敵だと思いました。私は起業したばかりで右も左も分からない状態でしたので、ハンズオンで経営のノウハウを指導してもらえると伺って、さらに魅力を感じました。
特に、アイデアをビジネスとしてどう具現化するかを教えてもらえたところがありがたかったです。当時はシード期でまだまだビジネスが成り立っていないタイミングでしたので、リスクを取っていただいたのではないかと思います。

なぜKYCCに投資しようと思いましたか?

林:社会の非効率化を解消する中で、手続きの電子化という流れが来ると感じていて、リスクを予知する取り組みも電子化されるのであれば、あらゆる場面でサービスが使われるだろうと思いました。また飛内さんのご経験と工夫を電子データベース化すれば、他に類のない高度な仕組みができると思いました。

世の中の不幸を減らしたい

資金調達までにどういったことを検討しましたか?

林:サービスが有用であることは確かでしたので、個人情報保護という課題について飛内さんの取り組みを確認しました。また、グレーヘアのスタートアップなので体力・精神的に大丈夫かという心配はありましたが、飛内さんの十分な覚悟を確認できたので投資に至りました。

資金調達後の歩み

資金調達後、Angel Bridgeからはどんな支援がありましたか?

飛内:定例会を月1回開催していただき、前月や中長期での取り組みについての報告と、それに対するアドバイスをいただいています。不定期でお客さんの紹介・経営上のアドバイスなどもしていただいています。

林:今後は人材紹介も強化していきたいです。

後輩起業家に向けて、起業にあたってアドバイスがあれば教えてください?

飛内:以前、外国人の集まりでピッチをしたことがあるのですが、その時に「日本にもシニアアントレプレナー(起業家)がいることを海外へ知らしめてください!」と言われました。海外にはシニアが経営する企業が日本より多いのですよね。日本は少ないとはいえチャンスはいくらでもあるはずなので、失敗を恐れず、諦めなければ成功するのではないかと思います。

林:人生一回ですから、やりたいことをやるのは大切ですね。

真面目に働く人々に光を当てる

今後どのような会社にしていきたいですか?

飛内:私たちは「KYCを社会インフラ化すること」をミッションとして掲げています。KYCは企業にとって重要なプロセスの一つですから、これまで資金が潤沢な中規模以上の企業でないと利用できなかったのを、小規模の会社まで広げていきたいですね。

真面目に働く人々に光を当てる

また、悪い人って世の中に1割もいなくて、9割以上の方々が家族や社会のために真面目に働いています。私たちは、表向きは悪い人を健全な経済取引から排除するという取り組みを行っていますが、本当に光を当てたいのはこの9割以上の方々で、彼らに社会的受益を得てもらうには何が必要なのかを考えています。具体的には格付けなど、情報に対して新しい価値を付けることが大事だと考えています。SNSでの発信やボランティアとかなども個人の重要な情報の一つです。個人の多面的な評価を日本にも根付かせたいです。

事業を通して社会に届けたいことはありますか?

飛内:企業の事件・事故・不祥事や、そこから生じる二次被害といった不幸ができる限り起こらない社会を作りたいです。
KYCは海外ではポピュラーで、大きなコストをかけて行われており、水準で言うと日本はまだまだ低いです。今後、日本企業がグローバルに進出するためには、海外のKYC先進国と同様の水準が必要です。そのため、私たちはKYCを広く日本社会に根付かせ、より健全な取引を行うことができる環境を構築していきたいと考えています。

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