INVESTMENT

Angel Bridge投資の舞台裏#35(Atransen Pharma株式会社)

2025.12.23

2025年12月にAtransen Pharma株式会社(以下Atransen社)が、シリーズAの資金調達を発表しました。資金調達額(AMED創薬ベンチャーエコシステム強化事業補助金含む)は14.7億円となります。Angel Bridgeは、本ラウンドにおいて出資しています。

Atransen社は、大阪大学の技術を基に低分子化合物による抗がん剤の研究開発を行う創薬ベンチャーです。具体的には、がん細胞に特異的に発現し、がん細胞の生存や増殖に必須となるアミノ酸を細胞外から細胞内に取り込む機能を持つL型アミノ酸トランスポーター1(LAT1)を阻害することで、がん細胞の増殖を阻止するSolute Carrier(SLC)トランスポーター阻害薬の研究開発を行っています。

今回の記事では、Angel BridgeがAtransen社に出資した背景について、SLCトランスポーター阻害薬の業界動向とAtransen社が持つ技術的な強みに焦点を当てて解説します。

  1. SLCトランスポーター阻害薬の概要
  2. SLCトランスポーター阻害薬の業界動向
  3. Atransen社の事業概要と強み
  4. 経営陣
  5. おわりに

 

1. SLCトランスポーター阻害薬の概要

はじめにSLCトランスポーター阻害薬について説明します。SLCトランスポーターとは、細胞膜に存在するタンパク質で、糖質やアミノ酸、イオンなど生体の維持に必須な物質、さらには代謝物や神経伝達物質などを選択的に輸送する役割を果たします。人体の細胞には、それぞれ異なる物質の輸送に特化したSLCトランスポーターが400種類以上存在しており、Atransen社がターゲットとするLAT1もその一種です。SLCトランスポーター阻害薬は、特定のSLCトランスポーターの働きを阻害することで、糖尿病から精神疾患に至るまで様々な疾患の治療に用いられています。過去には10種類を超える医薬品が日本や米国を含む世界中で承認を受けており、製薬企業の理解も十分にあるサイエンス面で確立した分野です。

図1. SLCトランスポーター阻害薬の仕組みと事例

 

2. SLCトランスポーター阻害薬の業界動向

SLCトランスポーター阻害薬は商業的な面でも大きな注目を集めています。まず、代表的なSLCトランスポーター阻害薬として、Atransen社の金井CSOが同定したナトリウム依存性グルコーストランスポーター2(SGLT2)に対する阻害薬が挙げられます。この薬は、腎臓で尿から糖質を再吸収し、体内へ戻す働きを持つSGLT2を阻害することで、糖質が再吸収されず尿と共に排出される仕組みを活用した糖尿病治療薬です。その中でもベーリンガーインゲルハイム社のジャディアンスは、糖尿病だけでなく慢性心不全、慢性腎臓病に対しても適応を取得したことで、2024年度の売上高が約1.5兆円に達しました。その他にも複数の医薬品が多くの患者さんの治療に貢献し、結果として大きな売上高を記録しています。

図2. 世界的に大きな売上高を記録したSLCトランスポーター阻害薬の事例

大手製薬企業による創薬ベンチャーの買収も活発に行われています。2024年9月には、フェニルケトン尿症に対するSLCトランスポーター阻害薬を開発する米国の創薬ベンチャーJnana Therapeutics社が、大塚製薬にマイルストーン達成に応じた支払いを含めると最大10億ドルを超える条件で買収されました。

幅広い領域の疾患においてすでに上市済みあるいは開発が進んでいるSLCトランスポーター阻害薬ですが、がん領域においては上市済みの医薬品がなく、開発段階においてもAtransen社を除くと1社しか候補薬を持っていません。「がんに対するSLCトランスポーター阻害薬」は、革新性が高くアンメットニーズの強い領域であると言えます。

図3. 疾患領域別の代表的なSLCトランスポーター阻害薬

3. Atransen社の事業概要と強み

続いてAtransen社の事業概要について説明します。同社は、SLCトランスポーターの一種でがん細胞の生存や増殖に必須となるアミノ酸を細胞外から細胞内に取り込む機能を持つLAT1の阻害薬APL1101の研究開発を行っています。現時点では動物モデルを用いた前臨床試験を実施しており、2026年度から人を対象とした国内第1相臨床試験を開始する予定です。

アミノ酸は、全ての細胞の生存・増殖に必須であり、細胞膜にあるトランスポーターで細胞内に取り込まれます。がん細胞は急速に増殖を繰り返すため特に多くのアミノ酸を取り込む必要があり、その役割を担うのががん細胞にのみ発現するLAT1です。LAT1阻害薬は、アミノ酸と同様にLAT1に入り込むことができますが、その際に嵌まり込んで分離しなくなってしまうことでLAT1の機能を阻害し、結果としてがん細胞は成長・分裂に必要なアミノ酸を取り込む機能を失い、成長の抑制や細胞死が生じます。なお、正常細胞にはLAT1がほぼ存在せず、異なるトランスポーターでアミノ酸を取り込んでいるため、LAT1阻害薬の影響は受けないことから副作用も生じにくいと考えられます。

図4. LAT1阻害薬の仕組み

このLAT1を強力に阻害するために、最適な設計がなされているのがAtransen社の化合物APL1101です。すでに創薬ターゲットとして一般的であったSLCトランスポーターも、最近までその多様な機能や複雑な分子構造についての理解が十分には進んでいませんでした。しかし、高い解像度を誇るクライオ電子顕微鏡の開発(開発した研究者には2017年にノーベル化学賞が授与されている)により、SLCトランスポーターの構造や機能が金井CSOを筆頭とする研究者によって一気に解明されていきました。その金井CSOによる最新の発見と知見に基づき設計されたのがAPL1101で、LAT1に一度結合すると分離が非常に困難となり、LAT1は不可逆的に阻害されます。

Angel Bridgeの投資判断にあたっては、Atransen社が保有する世界トップレベルのサイエンスを高く評価しました。Atransen社は、大阪大学教授でトランスポーター研究の第一人者である金井CSOが発明したLAT1関連の特許に基づいて設立されています。金井CSOは、SLCトランスポーターの一種であるSGLT2の分子同定に成功し、世界中で広く使われている糖尿病治療薬の開発に大きく貢献したことに対して2020年に日本医療研究開発大賞 内閣総理大臣賞を受賞しています。また、SLCトランスポーター研究に関連した4本の論文がNatureに掲載されるなど、世界的な学術誌への論文掲載実績も多数ある、まさに同領域の世界的な第一人者です。

図5. 金井CSOの研究実績

さらに、市場規模も重要な要素として考慮しました。がん治療薬は治療薬市場全体の中でも最も大きな市場ですが、Atransen社が適応獲得を目指す非小細胞肺がんはその中でも非常に患者さんが多く、グローバルの治療薬市場は2兆円を超える巨大市場です。市場規模としてはこれだけでも十分魅力的ですが、同社はさらに他の複数のがんに対する適応獲得を目指して臨床試験の準備を進めており、対象市場はさらに大きくなると予測されます。

図6. ターゲット疾患の市場規模

4. 経営陣

Atransen社の基盤には、サイエンスと事業を両面でバランス良く推進できる優秀な経営陣の存在があります。

図7. Atransen社の経営陣

浅野CEOは関西大学大学院工学研究科修了後、1996年に橋本化成社(現ステラケミファ社)に入社し、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)を新規事業として立ち上げ、2007年に100%子会社としてステラファーマ社を設立しました。同社は、抗がん剤ステボロニンの開発に成功し、2020年に製造販売承認を取得しております。浅野CEOは同社の取締役社長、会長を歴任し、2021年の東証マザーズ(現グロース市場)への上場に至るまで牽引しました。その後、2022年にAtransen社を創業しました。浅野CEOは、ステラファーマ社での幅広い経験やその魅力あふれる人柄から高い巻き込み力を持つと同時に、ステボロニンはLAT1を介して細胞内に取り込まれる特性があることから、LAT1についても非常に深く理解されています。

河合COOは、東京大学大学院薬学系研究科修了後、味の素でアミノ酸製品の研究開発に従事されました。その後、三井物産では社内プロジェクトおよび社外との共同プロジェクトとして米国で複数社の設立に携わりました。これらの経験からサイエンスへの理解が深く、かつ新規事業における経験が豊富で実際に手を動かして実務を推し進めていくことも得意な経営者であることを確認させていただきました。また、業務歴から国際的な環境でのコミュニケーションにも長けており、将来的には海外投資家や製薬企業との交渉などにおいても活躍することが期待されています。

金井CSOは、東京大学大学院医学研究科生理学博士課程を修了後、杏林大学や大阪大学の教授職・センター長などを歴任されています。前述の通り世界トップクラスの業績を持つSLCトランスポーター研究の第一人者です。

各経営陣とのインタビューを通じて、3人それぞれが異なる強みを活かしてAtransen社に貢献していること、相互にそれを認め敬意を持って接している様子を確認させていただいており、相互の高い信頼関係とチームワークの上に成り立つ素晴らしい経営チームです。

5. おわりに

Atransen社はすでに科学として確立したトランスポーター創薬を、まだ承認事例のないがん領域で挑戦しようとする革新的なバイオベンチャーです。同社が開発を進めるAPL1101はがん細胞にのみ発現するLAT1の最新の構造理解を基に、強力かつ不可逆的に阻害するよう設計された非常に有望な候補薬であり、飲み薬の抗がん剤として様々な種類のがん治療に活用されることが期待されています。LAT1という抗がん剤開発における魅力的なターゲットに対して、クライオ電子顕微鏡による構造観察技術の向上がもたらした最適な化合物が誕生した今こそが、トランスポーター創薬に挑戦するバイオベンチャーに投資をする理想的なタイミングであるとAngel Bridgeとして考えております。

Atransen社のAPL1101が、世界トップレベルの優れたサイエンスと事業に対する深い知見を兼ね備えた経営チームによって世界中のがんに苦しむ患者さんに届けられる日がくることをAngel Bridgeは確信しています。

Angel Bridgeは社会への大きなインパクトを創出すべく、難解な課題に果敢に挑戦していくベンチャーを応援しています。ぜひ、事業戦略の壁打ちや資金調達のご相談など、お気軽にご連絡ください!

この記事の監修者

Angel Bridge編集部

Angel Bridge編集部

Angel Bridgeは世の中を大きく変革するメガベンチャーを生み出すことを目指して、シード~アーリーステージから投資を行うベンチャーキャピタルです。プロファーム出身者を中心としたチームでの手厚いハンズオン支援に強みがあり、IT/大学発/ディープテックスタートアップへの投資を行います。

私たちは「起業家のサポーター」として、壮大で破壊力のある事業の創造を全力で応援しています。

所属
JVCA : (https://jvca.jp/)
INVESTMENT

Angel Bridge投資の舞台裏#34(株式会社Closer)

2025.12.18

2025年12月に株式会社Closer(以下Closer社)が、プレシリーズAの資金調達を発表しました。1stクローズの資金調達額は4.2億円になります。Angel Bridgeも本ラウンドにおいてリード投資家として出資しています。

Closer社は製造業における工場の中小規模製造ラインを簡単に自動化するソフトウェア型のロボットパッケージを提供する企業です。

今回の記事では、Angel BridgeがCloser社に出資した背景について、特に製造業の工場自動化の潮流や現状の課題、及びCloser社の強みに焦点を当てて解説します。

  1. 工場自動化の市場と課題
  2. Closer社の事業概要と強み
  3. チーム
  4. おわりに

 

1. 工場自動化の市場と課題

製造業における工場の自動化は第一次産業革命以降、技術の発展と共に徐々に実現されて来ました。第二次産業革命以降はコンベアラインによる自動的な流れ作業が実現され、現代ではIoT、ビッグデータなどを活用したスマートファクトリー化も進んでいます。一方でこのような自動化が実現されているのは主に自動化の採算が合いやすい大規模製造ラインであり、製品の入れ替わりも頻繁に発生する中小規模の製造ラインは未だに多くの人手での作業が残存している状況です。

特に食品製造業は製造業の中でも中小規模の製造ラインが多いことを背景にロボット導入が進まず生産性が低い業種であり、未だに多くの製造プロセスを手作業で行っている状況です。結果として製造業の業種別で最も多い約120万人¹従業員が働いており、製造が非効率になっています。

このような中小規模の製造ラインの生産性の低さは人手不足や物流2024年問題²背景に改善が求められており、日本政府も食品製造業の中小企業向けに給付金を交付するなど、自動化を促進する流れが活発化しつつあります。

      図1. 食品製造業における工場自動化の現状

また近年はロボット技術にも大きな変化が起こっています。これまではハードウェアを組み合わせてシステム構築を行う「ハードウェア型」のロボットが主流でした。ハードウェア型のロボットはコアの制御技術としてPLC(Programmable Logic Controller)という技術を用いており、柔軟性が低いものの決められた動作を何度も繰り返すような作業に適切でした。従ってハードウェア型のロボットを活用して重厚長大の大規模の製造ラインを構築していましたが、逆に中小規模の製造ラインには適していませんでした。しかし近年AI・機械学習技術の進展や計算資源の低コスト化によって、独自のソフトウェアプラットフォームやOSを活用した「ソフトウェア型のロボット」が生まれており、汎用的で柔軟なシステム構築ができることを強みに、複雑もしくは小規模な製造ラインに適したロボットが開発されています。スタートアップにおいてもMujinやTelexistenceなどは代表的なプレイヤーです。

図2. ロボットの種類(ハードウェア型/ソフトウェア型)

重厚長大な業界をメインに従来のハードウェア型のロボットのニーズも当然残ると思われますが、近年の労働力不足、データ活用技術の進展などを踏まえると、ソフトウェア型ロボットは今後さらに台頭してくると考えています。


注釈
  1. 経済産業省; 工業統計調査(令和2年6月1日時点)
  2. 2024年4月からトラックドライバーに時間外労働の上限規制(年間960時間)が適用されることで、輸送能力が不足し、「モノが運べなくなる」ことが懸念されている問題

2. Closer社の事業概要と強み

続いて、Closer社の事業概要について説明します。

図3. Closer社の事業

Closer社は、ソフトウェア型のロボットパッケージを提供する企業です。大きな特徴は中小規模製造ラインのペインを解消する点にフォーカスしている点です。

①優れたUI/UX

従来のハードウェア型のロボットはロボットの動きを定義するために「ロボットティーチング」という指示を専門的な方法で入力することが必要でした。この手法では専門の技術者が必要ですが、地方の工場ではこのような技術者がいないためにロボットを導入できないことや、専門の技術者であっても入力に8時間程度の時間がかかってしまうことが課題でした。一方でCloser社の製品は初心者の作業員でも3分程度で設定が可能で操作性の高いUI/UXを特徴とします。

② 小型で導入が容易

ソフトウェア型のロボットは性能がハードに依存する割合が小さく、小型でも高いスペックを実現することができます。特に工場の中小製造ラインはスペースが限られており、従来のロボットは導入が困難なケースが多々存在しました。その中でCloser社の製品は小さいスペースにも導入できる小型設計であることに加え、専門知識が不要で導入可能のため、リードタイムを抑えて簡単に導入することができます。

③ 汎用性が高い

従来のロボットは個別の製造ラインに特化して作られるのが一般的ですが、Closer社の製品は汎用性の高いソフトウェア型のロボットであるため、別製造ラインへの移行も容易に実行可能です。特に中小製造ラインは製造する製品が変わることに対応して製造ラインの形状が変わるケースも存在し、汎用性が高いことへのニーズが存在します。

投資検討の際には、Closer社の製品を導入している顧客へのインタビューも行いました。各企業は、工場の人手不足に深刻なペインを抱えており、大型のロボットは導入を試したこともあるものの非常に導入が困難との課題を抱えていました。Closer社の製品はティーチングや操作が容易で、着実に必要人員の削減に繋がることから、非常に高い満足度を実現している様子を伺うことができました。このようなロボットの開発には高度な技術力が必要であり新規の参入には一定高いハードルが存在することに加え、既存の大手ロボット開発会社は既にハードウェア型のロボットの開発に注力しておりリソースを割きづらいという事情で、Closer社のロボットは高い優位性を構築しています。

図4. 顧客インタビュー

投資判断にあたっては、Closer社の製品が競合の製品とどのように棲み分けられているかも確認を行いました。Closer社の製品は競合と比較して確かに柔軟性、導入スピード、UI/UXが優れていることを製品ベースでも比較を行っています。

図5. ポジショニング

今後の展開としては、現在のロボット販売のみの売り切りモデルから発展し、保守・メンテナンスサービスを付加した売り切り+リカーリングモデル、最終的にはソフトウェア型のロボットだからこそ可能である発展的なデータ活用によるリカーリングモデルの強化も十分に見込めると見ています。例えば複数拠点の稼働分析、経営ダッシュボードとの連携などはソフトウェア型のロボットが工場で稼働することで製造に関するデータをストックすることにより実現ができる工場の経営高度化であり、高単価と高粗利を両立し得るビジネスモデルとなるポテンシャルがあります。

通常、ロボットの「モノ売り」だけでは市場から評価されるにあたってかなりの売上をあげる必要がありますが、Closer社が開発するソフトウェア型のロボットはハードウェア型のロボットより粗利が高い傾向にあり、モノ売りでありながらも市場から高く評価されやすいビジネスになっています。モノ売りに加えて、リカーリング性の高い売上を獲得するとそれだけ市場からの評価も高まり、大きなアップサイドも見込めると考えています。

図6. 今後のビジネスモデルの展開

3. チーム

Closer社には、ロボット技術者として非常に優秀な樋口CEOとその下に集う優秀な開発チームが揃っています。

図7. Closerのチーム

樋口CEOは、高専を卒業後に筑波大学大学院に進学され、博士課程に在籍中にCloser社を創業されました。若い経営者ですがロボットエンジニアとしての経歴は長く、小学生時代からロボット競技をはじめられています。長岡高専在学中にはRoboCup世界大会で優勝され、孫正義育英財団、IPA未踏事業に採択されるなど注目の起業家です。筑波大学大学院時代にもロボットの開発を続けられる中で大きな社会課題をロボットで解決するという観点で起業を決意されました。

複数のリファレンスインタビューも行わせていただきましたが、Angel Bridgeとしては樋口CEOの経営者としてのポテンシャルを高く評価させていただきました。大学発ベンチャーの経営者にありがちな失敗要因として、技術に傾倒するあまり素晴らしい製品を作り上げるのですがビジネスとしてはうまくいかないことが挙げられます。一方で樋口CEOはロボットエンジニアとして高い技術をお持ちである点はもちろん、徹底的な顧客視点でロボットを開発され、時には顧客ニーズに合わせてピボットを行う中で事業の成長を作り上げてこられました。顧客に徹底的に寄り添う姿勢は起業家として最も重要なことの一つであり、今後も益々素晴らしい経営者になられるのではと大きな期待をしております。

4. おわりに

工場の自動化が進む中で中小規模の製造ラインは未だに自動化の波に取り残された領域です。一方で、ロボット開発においては、これまでのハードウェア型中心の進化に加え、近年はソフトウェア型のロボットも登場し、多様なニーズに合わせたロボットが出現しつつあります。

Closer社が開発する製品はソフトウェア型のロボットで中小の製造ラインを自動化するものです。操作性が高く、容易に導入できるロボットを開発するためには高度な技術力が必要であり、優秀なロボットエンジニアである樋口CEOだからこそ構築できる強力なチームに支えられています。大規模の製造ラインが概ね自動化されつつある中で、次の自動化のターゲットは中小製造ラインになるのではと考えています。Closer社は確かな技術力と強い市場ニーズを背景に、大きな成長を実現できるとAngel Bridgeは確信しています。

Angel Bridgeは社会への大きなインパクトを創出すべく、難解な課題に果敢に挑戦していくベンチャーを応援しています。ぜひ、事業戦略の壁打ちや資金調達のご相談など、お気軽にご連絡ください!

 

この記事の監修者

Angel Bridge編集部

Angel Bridge編集部

Angel Bridgeは世の中を大きく変革するメガベンチャーを生み出すことを目指して、シード~アーリーステージから投資を行うベンチャーキャピタルです。プロファーム出身者を中心としたチームでの手厚いハンズオン支援に強みがあり、IT/大学発/ディープテックスタートアップへの投資を行います。

私たちは「起業家のサポーター」として、壮大で破壊力のある事業の創造を全力で応援しています。

所属
JVCA : (https://jvca.jp/)
INTERVIEW

freee出身のCEOが挑むソフトウェア企業の共通課題への挑戦(PLAINER株式会社)

[小林 大 PLAINER CEO × Angel Bridge 河西 × Angel Bridge 三好]

2025.12.10

ソフトウェアのデモをノーコードで作成できるサービスを提供するPLAINER(プレイナー)株式会社。同社は2025年5月にシリーズAラウンドで4億円、累計5.7億円の資金調達を実施しました。 今回は同社代表取締役CEOの小林大氏にご登場いただき、起業の経緯やAngel Bridgeとの関わり、Angel Bridgeから受けたハンズオン支援、今後の展望などをお話しいただきました。
小林 大 PLAINER株式会社 代表取締役 CEO
  • 上智大学法学部卒業後、2017年にfreeeに入社。インサイドセールスチームで50名中トップの成績を残した後に、営業戦略の策定/実行に従事し組織の成長を牽引。その後、モバイル版freeeの事業責任者に就任しYoY300%以上の成長を実現。2019年PLAINER設立
河西 佑太郎 Angel Bridge株式会社 パートナー
  • ゴールドマン・サックス証券投資銀行部門、ベインキャピタル、ユニゾン・キャピタルを経て2015年Angel Bridgeを設立。創業期の2年間社長を担うなどHeartseedを立上げから支援。東京大学大学院農学系研究科修士修了(遺伝子工学)、シカゴ大学MBA修了。
三好 洋史 Angel Bridge株式会社 シニアアソシエイト
  • 2015年、慶應義塾大学経済学部卒業後、西日本旅客鉄道(JR 西日本)入社。2019年、JR西日本イノベーションズの設立とともに出向し、新規事業創出案件に携わる。2019 年Bain & Company に転じ、金融業界や小売業界、家電業界におけるコスト削減や収支構造改革、ビジネスデューデリジェンスプロジェクトに従事。2021 年、Angel Bridge 入社。

ソフトウェア企業の共通課題を解決。プロダクトデモがノーコードで作成できる

——事業内容について教えてください

小林:ソフトウェアプロダクトをノーコードで複製・カスタマイズして、簡単にデモ画面を作成できる「PLAINER」というサービスを提供しています。ソフトウェア企業のマーケティングからカスタマーサポートまであらゆるビジネスオペレーションでご活用いただけるプロダクトとなっており、自動車販売における試乗、不動産販売における内見のソフトウェア版のようなイメージで、「ショールーム」・「説明書」に近い役割を担っていると考えています。

これまで、プロダクトデモは人が操作を覚えてユーザーに伝達するのが主流でした。しかし、プロダクトのアップデート、1社ごとに扱うプロダクト数が増えたこと、また製品に関わるヒトの入れ替わりが発生することにより、教育などの従来の方法をベースに製品価値を伝達するプロセスを維持するのが困難になりました。PLAINERはこうした構造的課題を解決するプロダクトです。

——競合や参入障壁について教えてください。

小林:現状では、国内に直接的な競合は存在しないと認識しています。デモ動画を作るのか、「PLAINER」を採用するのかという比較のされ方がほとんどです。分かりやすいマーケットではないため、これまで競合の新規参入も多くありませんでした。プロダクトを作る際は、競合が少なく、本来あるべき姿に真っ直ぐ製品を磨き込める市場を選びました。私は前職でクラウド会計ソフト「freee」を提供するフリー株式会社にいて、どれだけ良いプロダクトであっても本来的な価値の10-20%ほどしかユーザーに届いていないと感じていましたし、その事象が発生する背景・要因についての解像度も高かった。なのでこれこそ自らが解決するべき課題として適切と感じました。

——PLAINERの強みはどこにあるのでしょうか。

小林:現在の強みは、独自性があり構築に時間のかかる自社プロダクトを保有し、プロダクトデモ市場で先行者利益を作れていること、そして所属メンバーが事業領域のペインを深く理解していることです。私はfreee出身であり、大多数のメンバーが大手SaaS企業経験者で構成されており、本事業を推進する初期的なチームとして最適な布陣だと考えています。また、PMF前後の主要な販売チャネルである展示会では、出展企業の多くがソフトウェアプロダクトを扱っており、関係者間に一定のネットワークが形成されています。そのため、紹介や自分達のつながりを起点に販路を拡大しやすい環境にありました。こうした地道な初期アクションを積み重ね、大手 SaaS 企業への導入が進むことで、今ではその周辺プレイヤーにも導入が広がるなど、ネットワーク効果が生まれつつあります。

起業家として不可欠なIQとEQ、やりきる力

——PLAINERとAngel Bridgeの関わりはどのような形ではじまりましたか。

三好:最初に小林さんとお話ししたのは、まだプロダクトを本格的に形にしていく初期フェーズでしたので、深い議論までは至りませんでした。ただ、その短いやり取りの中でも、freeeで培ったSaaSの知見をもとに課題を的確に捉えていることは強く伝わってきました。

プロダクトデモのプラットフォームという構想は一見するとニッチに見えますが、営業やマーケティングの在り方を根本から変えていける可能性を秘めています。「このテーマに挑むのであれば、単なるツール提供にとどまらず、より大きな構想につながるはずだ」──そう感じ、改めて腰を据えて議論してみたいという期待を持つようになりました。

小林:最初に連絡いただいたのが2023年8月頃で、プロダクトを本格的に作っていくフェーズでした。その後、2024年11月に改めてお会いしたときに、深くディスカッションさせていただき、本格的な検討を進めていただくこととなりました。

Angel Bridgeさんからさまざまな質問をいただきましたが、議論のし甲斐がある論点ばかりで、建設的な会話が積み重なっていく感覚がありました。少なくとも数億円のラウンドになるため、検討項目や必要資料が多岐に渡ることは当然なのですが、ご依頼いただく資料やそこに付帯するご質問は、なぜそれをお知りになりたいのかが明快で、弊社の事業を本質的にご理解いただいた上での問いかけだと感じていたので、共同でアウトプットを作っているような感覚でやり取りそのものがとても楽しかったことを覚えています。オファーを頂くタイミングでは、河西さん、林さん両パートナー陣とのご会食機会もいただき、その際にもお二人ともたくさんのトラックレコードをお持ちでありながらも、全く飾らないお人柄を持ち合わされており、強く尊敬の念を抱きました。

——PLAINERの投資に至った経緯を教えてください。

河西:決め手のひとつは、小林さんをはじめとしたチームの強さです。小林さんが何度もピボットしながら現在のプロダクトにたどり着いた話を聞き、多くの人が途中でやめてしまうような局面でも粘り強く事業に取り組まれていることが決め手になりました。小中高はサッカーにのめりこまれていたという話からも、その目標達成に対する一貫した姿勢を感じています。

私は起業家に大事な素養は、IQとEQ、そしてやりきる力だと考えています。IQとは考える力や問題解決力であり、EQとは人間的な魅力です。IQはお客様のニーズやそれに応える機能を考え抜き、その度に正しい判断をするために必要な力です。そして、EQは会社が50人、200人、300人と拡大していく中で、リーダーになっていくために求められる能力です。さらに、困難な状況を迎えることの多いスタートアップの経営者は、やりきる力が必要です。小林さんはこの3つをバランスよく持っていらっしゃる方です。

三好:河西からは小林さんやチームのお話がありましたので、私は事業の面について触れたいと思います。起業家やチームの強さと同じくらい大切なのは、「顧客の課題を本当に解決できているか」という点です。そのためPLAINERについても、数社に顧客インタビューを行いました。

そこで印象的だったのは、「他社にもぜひ勧めたい」といった声が何度も出てきたことです。プロダクトがここまで自然に評価されるケースは、そう多くありません。さらに、ある企業では一つの部署に導入されたことをきっかけに、他部署から「うちでも使いたい」と自然に広がっていったというエピソードもありました。押し売りではなく、現場が自発的に使いたいと思えるプロダクトだからこそ起こる現象だと感じています。

そうした現場からの高い評価が、実際に売上の伸びや極めて低い解約率、さらにはアップセルにつながっている。数字とユーザーの声がしっかり一致している点は非常に強力で、これがPLAINERの大きな競争優位性だと思います。投資家としても、このプロダクトなら市場に根を張り、長く愛され続けると確信しました。

重要な採用の場に同席を依頼するほど、Angel Bridgeとの距離感が近い

——2025年5月にシリーズAラウンドで4億円、累計5.7億円の資金調達を実施されました。これ以降、Angel Bridgeからはどのような支援を受けていますか?

小林:月次で定例ミーティングを設け、経営課題や事業進捗について継続的に議論を行っています。加えて、2~3日に一度はメッセージを通じてコミュニケーションを取っており、話題は多岐にわたります。海外の関連製品や有益なセミナー情報の共有、議論の中で浮かび上がった論点の整理・深掘り、さらには課題解決に向けた具体的な支援など、多方面でご尽力いただいています。

また、採用に関する相談に乗っていただくことも多く、場合によっては面談の場に同席いただくなど、実務面でも力強くサポートしていただいています。このように、さまざまな側面で継続的かつ実践的な支援を頂戴しています。

三好:主役はあくまで小林さんをはじめとする経営陣で、私たちVCの役割はその背中を押し、横で支えることだと思っています。論点の整理や他社事例の紹介といった材料はお伝えしますが、最終的に決断するのは経営チームです。その判断が少しでもスムーズに進むように、必要な情報や視点を届けることを心がけています。

実際にPLAINERでは、資金調達に向けた戦略設計や「どの顧客セグメントに注力すべきか」といった議論を重ねてきました。組織拡大の局面では候補者をご紹介したり、クロージングの場に同席して投資家の目線からPLAINERの魅力を伝えることもあります。定例の議論にとどまらず、日々のやり取りの中で幅広い相談をいただきながら、一緒に伴走してきました。

そうした積み重ねがあるからこそ、課題が出てきたときに「ちょっと相談してみよう」と思ってもらえる距離感を築けているのだと思います。経営陣と同じ景色を見ながら、ときに悩みを共有し、一緒に次の一歩を踏み出していけることが、私にとってのやりがいです。

小林:経営陣の一員として強いコミットメントを持って関わっていただいていると感じています。また、常に寄り添いながら並走してくれる存在であり、共通の目標に向けて建設的な議論を積み重ねられる重要なディスカッションパートナーとして認識しています。

河西:採用の場に同席してほしいと言ってもらえるのは、ベンチャーキャピタリストにとって誉れです。三好が同席させていただいた話を聞き、Angel Bridgeの社内でも共有したほどです。

「ユーザーにプロダクトの価値を伝える難しさ」が原体験となり起業

——起業に至った経緯を教えてください。

小林:高校までサッカーに打ち込んでいたのですが、早々にスポーツでは一番になれないと悟りました。プレイヤーとしてそのスポーツを極めたかと言えばまるで程遠く、土俵上に上がれないようなレベルではありましたが、様々な出会いを通じて、「どれだけ早熟か」ではなく「どれだけ大きなインパクトを出せるか」を意識するようになったと思います。自分の未熟さ故に人よりも早く、多くの挫折を経験したことで、失敗を前提にしながらも前に進む図太さが身についたと感じています。卒業後は、それまでの経験から早く自分の人生をかけられるコトを見つけたいと考え、起業を志すようになりました。ただし、当時は知識も経験もなかったため、まずは大学卒業後に企業へ就職し、早期の起業を目指すことにしました。

そんな中で出会ったのが、当時社員150名ほどのfreeeです。出会った社員が素敵な方ばかりで学べるものが多いと考えて入社しました。

freeeで働いて感じたのは、「良い製品であるにもかかわらず、その価値が顧客に十分に届いていない」という現実でした。多くの顧客は製品を最低限しか使いこなしておらず、関連製品にいたっては認知すらされていない状況でした。とても優秀な人達が、たくさん学び、真剣に顧客価値を追求している環境であったにもかかわらず、そうした課題が存在していたので、この価値伝達の非効率性は全てのソフトウェア企業で起きている課題なのだと直感しました。これらの経験を通じて、ソフトウェア製品の価値を余すことなく届けることができれば、市場に大きなインパクトを生み出せる。そう強く感じたことが、現在の事業に取り組む原点になっています。

——現在のプロダクトである「PLAINER」の立ち上げまでに、いくつか事業をピポットされています。どのような道のりがありましたか。

小林:「PLAINER」は3つ目の事業です。いずれの事業も先ほどお話ししたようなソフトウェア製品の価値流通を発展させる観点から着想しました。1つ目の事業はソフトウェア企業のマーケティング活動に関わるコンテンツを自動かつ、高クオリティで作成できるプロダクト、2つ目は分析業務とデジタル施策を一気通貫で実施するプロダクトでした。1つ目の事業は今の生成AI技術であっても実現には程遠く、時期尚早だった点。2つ目はそもそもマーケットが限定的かつ、誰の課題かの仮説も外していたと振り返っています。

——「この事業はピポットした方がいい」と判断したきっかけを教えてください。

小林:端的に申し上げると、「この事業は自分が取り組むべきものだ」と確信を持ち続けられなくなった時点で、ピボットを決断しました。自社製品を提案した際に、たとえ誰かから「その製品には意味がない」と言われたとしても、自分の中に揺るぎない確信や思いがあれば、前に進み続けることができます。しかし、それが持てなくなった場合は、事業を継続することは難しくなります。

振り返ると、「PLAINER」に至る前に取り組んだ2つの事業は、コンセプトとしては理想的で意義もあるものでしたし、上場できるようなポテンシャルを持つ事業だったと思います。一方で、自分自身が当事者としてその領域に深く関わった経験がなかったため、顧客に価値を提供するまでの具体的なワークフローをありありと語る事が難しかった。

「PLAINER」は、私自身が前職で深く関わってきたテーマです。プロダクトデモやチュートリアルを作成する際に、エンジニアを巻き込みながら成果を上げた経験があり、その知見をさらに深掘りすることで事業化につなげました。

——どのような経験だったのでしょうか。

小林:「freee」では、ユーザーがホーム画面に到達した後、その多くが何のアクションも起こさずに離脱している状況がありました。一方で、主要機能を体験したユーザーの契約率が数十倍に向上することが判明していました。そこで、ホーム画面に到達する前の段階で、製品価値の源泉となる主要機能を体験できるデモを作成したところ、圧倒的な成果を上げることができました。

ただし、この取り組みには多くのエンジニアリソースを割く必要があり、本来実施したかった施策の半分程度しか着手できなかったという課題もありました。そこで、「PLAINER」は、”エンジニアリングスキルがなくとも、誰もがプロダクトを用いて顧客に価値を届けられる”をコンセプトに製品開発を始めていきました。

——ご自身の実績から「PLAINER」を着想されたのですね。「PLAINER」の事業で手ごたえを感じたのはどんな瞬間ですか?

小林:お客様に「PLAINER」で解決できる課題をご説明した際、その背景にまで深く共感していただき、プロダクトが未完成の段階にもかかわらず導入を即決くださる方が複数いらっしゃった事です。

それまでの2つの事業では、私が想定した課題をお伝えしても、お客様にその課題やインパクトを十分に理解いただくことが難しく、手応えを得ることができませんでした。この経験からそもそも、課題を丁寧に説明しなければ伝わらない時点で、ターゲット設定もしくは課題仮説自体が本質的に誤っているのではないかと考えるようになりました。

——小林さんが経営者として意思決定する上で大事にしていることはありますか。

小林:元も子もない話かもしれませんが、最も重要なのは「その挑戦を絶対にやめない」という覚悟を持つことだと考えています。起業にあたって私は、「事業をやめずに継続し続けること、そして目標を引き上げ続けること」を自分との約束として定めました。事業を進めていく過程では、さまざまな困難が生じ、やめる理由や諦める理由はいくらでも見つかります。しかし、「何があってもやめない」という前提に立ち、かつ目標を上げ続けることで、あとは自分が努力すればよいだけの“コントロールできる構造”になると感じています。

その他の要素は枝葉に近い感覚ではありますが、あえて一つ挙げるとすれば、自分自身を含め、関わる人の感情に最大限配慮しつつも、常に冷静かつ客観的な視点で意思決定を行うよう努めています。人の感情は完全に読み切れるものではないため、時に悩みに発展することもありますが、それらは自分自身の欲求不満として受け止めることで、適切に消化できると考えています。事業が成長しステークホルダーが増えている今、これは私自身のチャレンジポイントだと感じています。

テクノロジーをインフラにしていく事業を構想中

——今後の展望について教えてください。

小林:私たちは、テクノロジーを水や電気のようなインフラにしていきたいと考えています。水や電気は使うことが簡単で、疑いようもなく価値のある存在です。一方、テクノロジーは使うことが難しく、価値もわかりづらい。私たちがテクノロジーを使いやすい形に変換することで、多くの人がテクノロジーから生まれる恩恵を受けられる世界にしていきたいと考えています。

現在はソフトウェア事業に対するサービスを中心に展開していますが、ソフトウェアのユーザー企業に対しても貢献し得ると考えています。例えば、ソフトウェアを導入した企業のユーザーが、ソフトウェアを使いこなすためのデモマニュアルを作成するような事業も構想しています。ただし、根本的にはテクノロジー自身が自分の価値を理解し、人の手を借りずとも自律的に価値を伝達していくインフラを作り出そうとしています。

——PLAINERでは、採用を積極的に行っています。どんな方と一緒に働きたいですか。

小林:変化し続けられる方を重視しています。バックグラウンドは多様になるかと思いますが、以前の環境で成果を出せた方法が、新たな環境でも同じように通用するとは限りません。そのような状況に直面した際、自らを変化させる柔軟性があるか、そしてその変化の幅がどれほど大きいかを重要視しています。変化の幅を広げるには、ポジティブな姿勢を持ちながらも、結果や事象をある種ドライに受け止め、自分自身を客観的に見つめることが必要だと考えています。そのような資質を持つ方がいれば、ぜひお話ししてみたいと思っています。

現在の組織は私を含め約20名ですが、今後は VPoE(Vice President of Engineering)や CFO(Chief Financial Officer)といった経営人材が不可欠になっていきます。こうしたポジションを経験されている方、あるいは目指している方で、世の中に大きなインパクトをもたらすビジネスに携わりたいと考えている方にお会いできればうれしく思います。

三好:「PLAINER」ほど「現場から熱烈に求められているプロダクト」は本当に珍しいと思います。単なる便利ツールではなく、営業やマーケティングの仕組みそのものを変えていける可能性を持っている。そうした事業の広がりを一緒に形にしていけるのは、大きな魅力です。

チーム自体がスピード感と柔軟性にあふれていて、新しい挑戦が次々と生まれています。だからこそ、PLAINERに入る方には事業の成長と同じ熱量で、自分自身の成長も実感できるはずです。組織の成長と個人の成長が自然にリンクしていく、そんな環境がPLAINERにはあると思います。

「変化の早い環境で挑戦し、自分を大きく伸ばしたい」という方にとって、PLAINERはまさにその機会を提供できる会社だと思います。ぜひ一緒に未来をつくっていただきたいです。

——小林さんが、Angel Bridgeに今後期待していることを教えてください。

小林:これまでと同様に、隣で並走していただける存在でいてくださると大変心強く思います。例えば、三好様に採用面談へ同席いただいたことも、採用を経営課題の一つとして共有してきたからこそ生まれた、ごく自然な流れでした。今後も、このような密度の高いコミュニケーションを継続していければと考えています。

三好:これまで通り、近い距離感で気軽に相談していただける関係性を大切にしていきたいと思っています。事業が拡大するにつれて、採用や組織づくり、海外展開など、これまでとは違う新しい課題が次々に出てくるはずです。そうした局面でも、私たちの経験やネットワークを総動員して、一緒に解決策を探っていければと思います。

これまでも採用の場に同席したり、資金調達の設計を壁打ちしたりと、経営のさまざまなテーマにご一緒してきました。今後も「これは相談していいのかな」と迷う前に声をかけてもらえるような存在でありたいですし、その積み重ねがPLAINERのさらなる成長につながると信じています。

河西:PLAINERは今後メガベンチャーとして時価総額1,000億円を超えるような上場を目指していくことになります。Angel Bridgeを挙げて、全力でPLAINERの事業と小林さんをサポートしていきます。

この記事の監修者

Angel Bridge編集部

Angel Bridge編集部

Angel Bridgeは世の中を大きく変革するメガベンチャーを生み出すことを目指して、シード~アーリーステージから投資を行うベンチャーキャピタルです。プロファーム出身者を中心としたチームでの手厚いハンズオン支援に強みがあり、IT/大学発/ディープテックスタートアップへの投資を行います。

私たちは「起業家のサポーター」として、壮大で破壊力のある事業の創造を全力で応援しています。

所属
JVCA : (https://jvca.jp/)

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